ワタミのビジネスモデルを再生させるには
外食産業のビジネスモデルが厳しい状況におかれている。
印象的なのは、ワタミだ。
一番利益の得ている介護事業を売却し、昔の収益源の居酒屋の迷走が止まらないのだ。不透明なお通し代は拒否すれば払わなくていいなど学生にとってはありがたかったが、あんなに安ければ経営は悪化するのは至極当然。株価ももちろん低迷。おまけに株主優待券の改悪もあって個人投資家も厳しい視線を向けている。
私は大胆な構造改革を提案したい。
選択と集中である。得意の介護事業に特化し、居酒屋チェーンをやめるべきだ。食材の一括購入はできなくなるかもしれないが、介護の食事は別のアウトソーシングしてもいいし、自社開発にこだわる必要はない。
従業員の離職を止めるのも至急の課題といえる。ブラック大賞に選ばれるなど労務環境はまったなしだ。低賃金長時間労働などとなればそりゃ若者は来ないだろうし、周りでも深夜の居酒屋チェーンでバイトしているひとは少ない。そのため、必然と社員が補わなくてはならなくなる。
ぜひビジネスコンテストに出してしまいたいくらいである。
全要素生産性(TFP)
全要素生産性と全労働生産性について書かれてあった論文があったので、興味を惹かれた。ご紹介したい。
http://jsest.jp/jp/Toukeigaku/journal/89toukeigaku/89_izumi.pdf
全要素生産性と全労働生産性とは直接労働生産性,固定設備生産性,原材料生産 性等の各要素生産性を総合した生産性という点で共通である。しかし,両者は⑴産 出量および投入量の定義,⑵上記3つの生産性を総合するさいのウエイト,⑶原材 料・燃料,固定設備を供給する部門の生産性変化を考慮しているか否か,の3点に おいて相違しており,筆者は総合的生産性の概念,現実的な計測方法の両面におい て全労働生産性の方が優れているといえる
正直なところ、違いを深く認識したことはなかった。概念として、一般に、経済成長率から資本投入と労働力投入を差し引いた残差と説明される。これが技術革新(innovation)だと。生産性が向上したからと簡単に説明されるが、違和感を覚えた。
ここでは、やや概念が抽象的なものの、役に立つ気がするのだ。
カテゴライズ
検索結果にふと疑問に思うこの頃。カテゴライズされすぎていると思うのです。
特定の境域において調べることにより深い知識を得ることはできるが、境域を超えた分野の情報が入ってこない。
つまり、視野が狭くなるのではいかと。
こんなことまでできてしまうそうな。
Web アクセス履歴に基づくユーザの価値観の類推
人はその嗜好や価値観に基づいて行動するという仮説にた つと,個人の Web 上での行動も嗜好・価値観に基づいていると 考えられる.本研究では消費者の行動履歴の一つである Web アクセス履歴を元に個人の閲覧したページを解析し,その価値 観を類推することを試みる.
https://kaigi.org/jsai/webprogram/2013/pdf/566.pdf
すごく画期的。
リボ払い
次々と発行されているクレジットカード。決済額も伸びているそうな。
派手なCM、入会ポイントの増量、リボ払いのポイント、毎月定額払いなどなど凄まじい。
比較的審査も緩やかであり、若者層を狙っていると思われる。
リボ払いなんて高利貸しである。いくらポイント還元されるとはいえ、借金に変わりなく、ポイント以上の利息を払う必要があるので、避けたいものだ。
実は今日2枚クレジットカードを解約したのだが、利用額も少なく、会社の維持費も高いだろうに、なかなか解約させてくれなかった。10分あまり電話ごしにセールストークを聞き続けるはめになった。
もうこりごり
カード会社の論文も興味深い.所詮コモディティなのだ。
http://www.ibi-japan.co.jp/japf/pdffiles/saeki.pdf
本来「クレジットカード」は決済に利用されるコモディティ商品であり、コモディティ商 品間で激しい競争が発生すると、価格競争に陥り「収益力の低下」に帰結することとなる。 そのため、カード各社は「サバイバルゲーム」に勝ち残る企業体質を築き上げるため、コス ト競争力の強化と収益率の向上にむけた大幅な構造改革に取り組んでいる。 カードビジネスにおける収入の大きな柱は①年会費収入②加盟店手数料収入③会員手数 料収入(分割・リボ手数料収入、キャッシング金利手数料)の3つである。従って、これら3 つの収入を確実に高めて行けば収益力の高い企業体質を構築することが可能となる。しか しながら、流通系、信販会社による年会費無料カードの増加、アクワイヤラー間による加 盟店手数料ダンピング競争により、収益を高めるどころか逆に収益率を低下させている。 そこで3番目の会員手数料収入拡大策として「リボルビング専用カード」の発行が注目を集 めることとなる。
東証REIT指数から考えるインデックスファンドのデメリット
先日、東証REIT指数の算出方法が変更された。
東証REIT指数の算出方法変更とその影響/アイビー総研 関 大介 - JAPAN-REIT.COM
「時価総額加重平均」から「浮動株時価総額加重平均」へと変更となります。
東証が算出している他の指数であるTOPIX等と同様に東証REIT指数も固定株を控除して算出するというものです。
これは、実態を反映したもので、理解できる。ただ日銀がもっているREITは浮動株になるというこれはちょっと理解しがたい。
REIT指数に組み入れが減る銘柄が大幅に下落しているのは、弊害のひとつだといえる。
ファイナンス大学院の方の論文がある。
https://dspace.wul.waseda.ac.jp/dspace/bitstream/2065/44966/1/ShogakuKenkyu_2015_03_Hanyu.pdf
各不動産用途別のインデックス間の分析結果として、収益性においてリスク・リターン ともにインデックス間に差異がないことが確認された。また、運用資産の同じ投資法人間 の収益性において、リスクに差異はあるが、リターンに差異がないことが確認された。こ れは、投資家が運用不動産の種類にとらわれず投資判断を行っていることを意味する。ま た、運用資産の種類が同じ投資法人の収益性比較の結果から、投資家側で分散投資が充分 に行われている状態であることが推測される。市場が成熟している状態であるといえる
という。非効率な市場を促しているインデックスファンドも考えられるのではないか
配当政策の決定余地
配当について、3月末と9月末で金額が違うことがある。それも差は2倍だ。市場に目立った値動きは観測されているという論文はないものの、違和感のある数字である。
なぜ3月末だけ優遇措置があるのか。それはわからないが、会計学の先生に尋ねてみたいものである。
直接お会いしてみたいものであるが、レビューにこうある。
先行する研究にない分析を踏まえ配当の株価に対する影響を分析した点で、多くの示唆を与えてくれます。
"配当落ち"という言葉があるように、配当を支払うとその分だけ企業の純資産が減るので理論的には株価も下がるはずです。
しかし企業が配当を払うあるいは増配するということは、企業経営者が自社について何らかのメッセージを発している、例えば将来の業績に確信があるので増配するなどと市場がとらえ、それを好感して株価が上がるということがよく起こります。
そうなのだ。これは直感的に理解できる。なんらかの示唆に富む論文である。
減配を避ける行動にでるとする論文もある、
上場廃止と繰上償還
投資信託を保有していて長期保有できないリスクがある。上場廃止と繰上償還である。
アメリカではもっと進んでいる。
純資産価値に対して割安に取引されている現状では自社株買いによる上場廃止をする米国リート が出てきてもおかしくないと思っております。
「米国経済・REIT」2017年見通し フィデリティ・USリート運用者インタビュー
フィデリティは言わずもがな巨大なREIT投信を有する有数の運用会社である。
特にファンダメンタル分析は大きな影響を与えるものである。すごいと思うが、こんな変わった発言もしている。
市場は絶えず効率的になろうとするのであろうか
JREITの構造的な問題に触れた先行研究がある
http://hokuga.hgu.jp/dspace/bitstream/123456789/2931/1/6.%E7%8E%8B%E8%AB%96%E6%96%87.pdf
http://www.lij.jp/info/sien/sien19/sou.pdf
別件だが、そもそも研究論文ももっと効率的に読めるようにしてほしいと思うこの頃。