think big start small

経済学者を目指す大学院と証券アナリストのわらじをはくひと

ロボアドバイザー投資

ロボアドバイザー投資を事業とする、ウェルスナビ。

現代ポートフォリオ理論をかじった私としては、2つの正反対の意見を持たざるを得ない。

 

まず、長期投資を掲げる、投資一任サービス。リスクに慣れない日本人にはいいサービスである。リスク許容度に応じて、組み合わせを自動的に決めてくれるのだ。

これは確定拠出年金でもリスクをとろうとしない日本人にもいいかもしれない。

 

このビジネスは基盤となる預かり残高が増えるとウェルスナビの利益になる。個人資金の新規購入と投資資産の値上げによって、手数料収入が増えていくことを意味する。

 

一方思うこともある。この手数料負担が大きいのである。

www.wealthnavi.com

 

1.1%プラスETF経費率である。

ちょっと投資を触った人にしては、高い。もちろんETFをドル建てで買おうという人は少なく、ハードルがあり、専門家のサービスにおまかせしようとなるだろう。

 

でもいま、0.1%を切る、円建てで買える国内投信がいくつかある。

バランス投信でも0.15%ほどである。

だから、私は、ロボアドバイザーがどこまで本気かと思うし、また新規参入してくるであろう証券会社に対抗できるよう、手数料を引き下げる余地を残していると思う。

 

10年20年と続けるであろう積立投資。やはり最初に投資を始めた金融機関で、今後も続けるであろう。スイッチングコストである。

つみたてNISAができた時、私も始めた。

だが、その時はベストチョイスしたつもりだが、今となっては、やや割高ファンドになってしまった。が、もう買い替えはしない。するなら、換金するのはリタイア生活の時である。

 

保険、スマホ、電気ガス、ネットと一緒で、一度始めると、再び変える心理的コストは大きい。

ドルコスト平均法を考えると、同じものを好況時も不況時も買って、購入単価を抑えていく投資方法だし。

やはり最初は手数料をちゃんと調べて、始めるべきと思います。

 

 

ちなみに、ウェルスナビを起業した方は、

ウェルスナビの「ロボアドバイザー投資」は、資産形成に大きな一石を投じるか⁉ | 財経新聞

  「米国人の妻の両親は若い時から20年以上、専門のアドバイザーに資産運用を任せ、“長期・積立・分散”の資産運用を続けた結果、富裕層の仲間入りをしていた。一方、私の両親の金融資産は殆どが預金。双方の退職後の資産は10倍もの差があった。衝撃を受けた私は、誰もが安心して利用できるお任せで高品質な資産運用サービスを日本でも立ち上げようと決意した」

 

こういう熱い想いが素敵である。