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経済学者を目指す大学院と証券アナリストのわらじをはくひと

国民年金を保険数理から考える

保険数理からみると不可解な国民年金

決して不安を煽るわけではないが、通常、民間の保険では性別によって保険料が違うのに、平等なのである。

しかも、所得に応じて減免措置があり、終身の老齢基礎年金に加え、遺族年金や障害年金、一定の要件で死亡一時金までついてある。

所得が法定免除または申請免除を行なった場合でも、老齢基礎年金は半分は支給される。これは国庫負担が2分の1となっているためである。20歳以前の障害を負い一定の障害を有するものは、国庫負担がやや高めと法には定めがある。(所得制限あり)

実務的にどのような処理がなされるのかは知らないが。

厚生年金になれば、会社も含めた社会保険料は高いが、その分、年金も手厚い。

さらに、第3号被保険者、つまりサラリーパーソンの配偶者(主婦、主夫含む)は保険料を厚生年金全体で負担しているため、直接的な保険料負担はない。

現時点では、国民年金満額6万円少しと支給額は少ないというか、これで生活は困難と思われる。また年金額が今後維持されていくのかは予断を許さないものの、年金制度自体は維持されていくであろう。

10年以上の加入歴があれば幾ばくかの年金の支給の対象となりうるので、加入はおすすめするし、払えなければ、申請免除や猶予を受けるべきと考える。

 

ただ、確かに、今回の年金法案は社会保障制度を次世代に受け継いでいくためには必要かもしれない。物価が上がって現役世代の賃金が下がった場合、現役世代の下がった分を年金額を引き下げるものである。物価が上がるなかで、年金の引き下げは苦しい生活になりそう。いわゆる賃金スライドを強化していくものであり、加えて、マクロ経済スライドをさらに強化したようである。

賛否両論はあると思うが、厚生年金の適応範囲を拡大し、さらに60-64歳の間の国民年金保険料の徴収などさらなる財源確保には限界もあるし、支給額を抑えたい政府の意見は一理ある。一方で、その中で、国民の自分自身の利益を考えた場合、終身の年金を保障するものはまずこんな保険料なみに安くはできないため、加入せざるを得ない。個人ごとの年金額を増やすには、将来もらえるであろう年金額の底上げをはかるためにも、保険料を納付する必要がある。

www.nli-research.co.jp

 

追記

こんな分析をする人もいる

sharoushi-machida.com