think big start small

経済学者を目指す大学院と証券アナリストのわらじをはくひと

バーゼル規制

こんなニュースをみた。

www.nikkei.com

最近、劣後債や債務免除付き社債が発行されているが、銀行の場合、多くは、BIS規制で行われている。

イタリアで陥っている金融不安は、日本でも再来するのではないかと思う。

個人の投資家が資本形成の一環で、新型社債を買っているからだ。イタリアも大きすぎてつぶせないというのはあるにしても、さらに株主や社債購入者に対しても、負担を求めるのは当然だと思うが、しかし個人が大量に買っていたら、東電の株式や社債のように、社会的影響が大きすぎるのではないかと。

 

こんな興味深い論文があったので載せておく。

https://www.jstage.jst.go.jp/article/tjsai/27/6/27_338/_pdf

医療保険とか就労不能保険

医療保険にどういった病気には保険金を支給することとした決まり事、約款がある。

細かなことが書いてあり、おそらくほとんどのひとが読まないまま、GNP(義理、人情、プレゼント)の生保のおばちゃん営業員によって加入しているのだろう。

 

それはさておき、約款は、医学的見地という考えをとっている。医師の医学的診断に基づき、請求できるとしている。

 

ところが、思わぬ落とし穴がある。

むちうち症精神疾患などは、医学的他覚症状が厄介なのである。

医学的に病気だと診断されても、生命保険で保険金が下りるには、血液検査や脳波、レントゲン、MRなどの検査や、身体的損傷などで、第3者からみて、病気だとわからないといけない。つまり、医学的他覚症状がない場合、保険金が下りない。

 

また最近はやりの就労不能保険でも、やはり医学的他覚症状がない場合、保険金が下りない。

在宅療養という医師の指示がなければ、就労不能と認めることはできないとされる。

最近、激増する精神疾患については、公的保険しか下りないと思われるが、それでも健保に毎月診断書を医師に書いてもらい、最大1年半まで傷病手当金が下りる。

これが切れたら、重度なら障害年金、ダメなら、財産処分して生活保護しかない。

 

病気に故意になったらともかく、そうでないのであれば支払いがあってもいいのではないか。いくら他覚症状がないとはいえ、医学的見地からたった診断には違いないのだから。

 

マイナンバー

マイナンバーといえば、国民一人一人に割り振られたのであるが、実は法人用のマイナンバーがある。

検索でき、しかも公開されている。

http://www.houjin-bangou.nta.go.jp/

 

例えばペーパーカンパニー宗教法人まであらゆる法人格をもつものが検索できる。

これはすごい制度である。

これは社会保険料を納付していない違法な会社を洗いざらいさらうことであろう。

 

欲を言えば代表者名くらいは表示してほしいですが。

失火責任法

新潟で大火があった。この時、多くの家屋が巻き添えになり、燃えてしまった。もし、この飲食店の出火元が賠償責任を負うとなると大変な借金になる。

 

日本では、いわゆる失火責任法というものがあり、

民法第七百九条ノ規定ハ失火ノ場合ニハ之ヲ適用セス但シ失火者ニ重大ナル過失アリタルトキハ此ノ限ニ在ラス 

 とある。じゃ、709条はどうかというと、

故意又は過失によって他人の権利又は法律上保護される利益を侵害した者は、これによって生じた損害を賠償する責任を負う。 

 この条文を素直に読めば、やはり失火責任法が優先するので、今回の火災は重過失がない限りは、責任を免れそうである。

ということは、家を持つ人は、火災保険に入っておかないと、大変な被害を受ける。そのためか、日本では保険加入率が高いのかもしれない。地震保険はなぜか低いが。

ROEを上げる方法

ROEとはそもそも株主資本からどれだけのリターンを得られたか、である。

そこで、レバレッジをかければROEを上げることになる。

 

記憶に残っているのは、ヤマダ電機の件である。

www.huffingtonpost.jp

 

借金して、そのお金で自社株買いをするという毒薬である。

もうすぐ償還である。果たして、返せるのだろうか。

お化粧買い

投資信託やファンドのパフォーマンスを上げるために、末日に注文出しておくという慣例があった。

評価益が増えるので、ファンド成績が良いように見える。

 

さすがにこれはやりすぎだろうといわれていたが、今もなお、疑念は消えない。

残念だ。

物価連動国債

物価連動国債なるものがある。インフレ率に応じて元本が増える。しかも現在発行されている国債では、元本保証まであるので、デフレにおいてもマイナス金利にはならない。

 

ここで興味深い論文がある。

http://dspace.wul.waseda.ac.jp/dspace/bitstream/2065/47803/1/ShogakuKenkyukaKiyo_82_Yuyama.pdf

デフレに備えた元本保証が付 されたことから、元本保証のためのプットオプションプレミアムが内包されていると考えら れる。 

 なるほどである。たしかにオプションであろう。

しかも要旨によれば、

今後、マイナスの期待インフレ率が予想される場合には、このオプション プレミアムの水準が急激に上昇し、BEI は事実上マイナスを示さないと考えられ、BEI によ り市場における期待インフレ率を把握する際には注意が必要である。 

 だから、よく金融レポートなどで、期待インフレ率を物価連動国債で調べようとするには困難が伴うと言える。

目からうろことはこういうことか。